日本財団 図書館


 

質問票作成にあたっては、まず、次の作業仮説をたて、これに基づき質問票を作成した。
1)民間療法の利用や方法には年代による差があり、高齢者ほど民間療法を利用する傾向がある。
2)日常の健康問題はかなりの頻度で民間療法で完結している。しかし、医療機関受診の頻度は加齢と共に上昇する。
3)民間療法の利用者自身が判定した治療効果や患者の満足度については民間療法が医療機関の医療にまさることもある。
4)一般的に民間療法は費用の面で医療機関の医療より少なくすむが、患者の病状や方法によってはより高額となる。
5)民間療法にも副反応、副作用がある。
研究のデザインは郵送法による自記式質問票を用いた横断調査で、予備調査をまず行い、質問票の妥当性を検討したのち本調査を行い、結果の信頼性を高めるようつとめた。予備調査の結果によっては本調査で「健康日記」のようなものを用いて、前向きの観察研究を行う予定であったが、予備調査の結果から、対象者の負担が大きい前向き調査は無理と判断し、横断調査とした。調査に当たっては、インフォームドコンセントを目的に、調査票には趣意書を添付し、目的について対象者の理解、了承を得ることとした。対象者のプライバシーの保持のため調査票は無記名とし、住所などが研究者と当該医療機関から漏洩しないよう、データの回収・解析は研究者が、藤沢町民病院に出向き、当該場所で行った。また、対象者に興味を持ってもらい、回答がしやすいよう、質問票のタイトルを「医者に言えない健康法(治療法)に関する調査」とし、民間療法には限定しなかった。質問への回答は対象看が質問票に直接回答を書き込んでいく形を取り、返信用封筒に入れて直接郵送とした。
調査内容は対象者の性、年齢、現在の健康問題の有無、興味・関心、今までに利用したことのある健康法、その健康法の効用・効果、情報の入手手段、利用頻度、信頼度、満足度、健康法にかけた経費、医療機関に支払っている費用(月額)である。健康法は5つまで挙げてもらい、健康法の効用・効果、情報の入手手段、利用頻度、信頼度、満足度、健康法にかけた経費、その健康法ごとに回答を書き込む形式とした。回答のうち、利用頻度は、毎目、週1回、月1回、困ったときだけ、現在利用していない、の5段階の選択肢から

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION